幕末大名夫人の知的好奇心
神崎直美 著
岩田書院
2016年2月刊
A5判・214頁・並製本・カバー装
ISBN978-4-86602-953-5 C3021
2700円
日向国延岡藩主内藤政順の奥方充姫(充真院[じゅうしんいん]。寛政12年[1800]-明治13年[1880])に関する初めての人物伝。なお充姫は彦根藩主井伊直中の娘で、大老井伊直弼は異母弟にあたる。
本書では、充真院の著書のなかから 主として『色々見聞したる事を笑ひに書』『五十三次ねむりの合の手』を選び、その知的好奇心と人物像を明らかにした。
前者は、幕末から明治初期の江戸(東京)と延岡で見聞した日常雑記で、後者は、文久3年(1863)、充真院64歳、生まれ育った江戸を離れ、初めて領国に転居することになった時の旅日記である。両書とも、すぐれた文章力と巧みな挿絵とで、当時の生活を活写し、充真院の人物像もよくあらわれている。
第1章 人生の概要
井伊家での日々と婚家・内藤家/縁組の経緯/内藤家の奥方/老年期の日々
第2章 充真院の蔵書
奥方の蔵書/和歌/源氏物語/紀行文/外事への関心/井伊家に関する蔵書/装丁と蔵書印
第3章 生き物飼育
「色々見聞したる事を笑ひに書」の概要/鳥の飼育法/昆虫の飼育法/その他の飼育法
第4章 まじない・薬・怪異・生活の知恵
まじないによる治療法/薬用による治療法/まじないと迷信/怪異/その他の生活の知恵
第5章 紀行文と大旅行
「五十三次ねむりの合の手」の概要/旅の概要/注目される立場/充真院の体調
第6章 対人関係・食・名物
随行者との対人関係/庶民との出会い/食の楽しみ/名物への関心
第7章 風景・文学・信仰心
風景への感動/文学に親しむ/敬虔な信仰心
まとめ 充真院の関心と人物像
引用:岩田書院official(http://www.iwata-shoin.co.jp)
先日、刊行されました「幕末大名夫人の知的好奇心ー日向国延岡藩内藤充真院ー」の装幀をさせて頂きました。
以前、本のカバーイラストを作らせて頂いたことはあったのですが装幀は初めてでした。正直「装幀って何?」という段階からのスタートでしたが、私が延岡市で毎年あっている神崎先生の講演会に通っていたこともあり主人公である充真院さんに親しみを持っていたので割りとすんなりとイメージはできました。鎌倉の光明寺の内藤家墓所にもお参りに連れて行ってくださったので、より充真院さんが身近に思えていたところでした。
本の中に出てくる写真を使ったデザインで、ということは伺っていたのでじゃあ大好きな充真院さんの挿絵を使わない手はないな! ということで挿絵を使ってのデザインにしました。千代紙をイメージしました。カバーの紙も和紙のような質感のものを選ばせて頂きました。
初稿を全て読ませて頂いた後で装幀を始めたわけですが、講演会の中で聞いていた内容もあれば読んで初めて知ったことがあり人物像がより明確になりました。
なんだか読みながら、自分と同じところが見えてくるんです。ああ、こういうところは私も同じだなとか。わかるわかる、とか。
そして著作者の神崎先生が充真院さんにとても親しみを持っていらっしゃるのがよくわかります。
章が細かく分かれていて、読みやすいですよ!
ネット上で「幕末大名夫人の知的好奇心」で検索するとすぐに出てきます。